塵書き

日記とか詩とか、言葉の落書きとか。思うままに。

巨影 虚栄

1人でも生きていける

辛くない苦しくない怖くない

1人は怖くない

言い知れぬ漠然とした未来が押し寄せて

僕の頭の中をぐるぐるに掻き混ぜる

僕は精一杯足掻く

足をばたつかせて顔を水面に出して息をする

溺れてるようにも見えるけどこれは泳いでいる

襲いくる言い知れぬ未来と

なにもしなくても消えていくお金と

無駄にできないはずの時間も

僕を苛むんだ

心底怖い怖いよ

でも怖がってちゃダメなんだよ

嫌なことから目を逸らしてても

それは寄ってくるし首を締め上げてくる

苦しいだろ

辛いだろ

もう楽になれよ

簡単だよただ逃げるだけだ

悪魔の囁きだ

どこに逃げるって言うんだ

天変地異は助けてくれない

どんなに夢想したってその夢は叶わない

きっかけもない

生きるための力は充分にあるのに

目の前の自分のなかの世界すら守れない

できないよ

なにもできないんだ

悪魔が囁いても天使が嘆いても

僕は救われない

 


あの時こうしていればとか

あの時ああしていればとか

そんなこと考えたことはない

後悔はしない

悔やんでも悔やみきれないことばかりだからだ

理不尽はいつも唐突だ

幸せが尽きたら今度はそいつの未来を搾取するんだ

もうおしまいかな

残ったものは諦観だけだった